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10月12日記事追加 「アドミッション・インタビュー」を追加しました!

私は,2016年夏からアイオワ大学ロースクール(University of Iowa College of Law)の法学博士課程(S.J.D.)に在籍して研究をしています。もともとはニューヨーク州の弁護士(さらに元をただせば日本のサラリーマン)で、アメリカ系弁護士事務所や日本の政府機関などで働いていました。アイオワでの研究生活ということで,とてもニッチな話題が多くなり、また、不定期での更新になってしまうと思いますが、お付き合いいただければ幸いです。

SJDやアイオワ大学ロースクールに興味があるが情報が全くない,という方のためにGmailアドレスを設定しました。お問い合わせなど,sjdiniowa★gmail.com(★を@に変更)までいただければ幸いです。

アドミッション・インタビュー

SJDプログラムでは,毎週一回一時間ほどのワークショップがあり,お互いの研究についてディスカッションしたり,教授から研究・論文作成についてのアドバイスをいただいたりしています。今週は私の担当で,主要三章のうち(一章は昨年完成済み)の一つについて,教授や他のSJDの学生の前で発表しました。何箇所かもう少し明確に自分の意見を書いたほうがよいと指摘を受けた部分はあったものの,全体として良い評価をいただき,本章も無事に完成しそうです。

さて,今回はアイオワロースクールやSJDとは全く関係ない話なのですが,最近Vanderbilt Law School(以下「VLS」)の卒業生としてインタビューを何度か行ったので,少しそこでの経験について書いてみたいと思います。VLSのJDプロブラムでは入学試験の一部として,エッセイ・履歴書・成績・LSATのスコアに加えて,希望者にインタビューを行っています。ちなみに,ビジネススクールではインタビューが一般的に行われているようですが,まだロースクールでは珍しいようです。JDの卒業生はアメリカ・世界各地で働いており,インタビュアーとしてVLSに登録しておくと,その地域に住んでいる入学候補者が振り分けられる仕組みです。

私が日本にいたときも,日本に住んでいるアメリカ人(ごくまれに日本人)のインタビューをすることが年に1・2回ほどありました。今年はアイオワで既に4人のインタビューをしています。インタビュー自体は30分程度,「なぜ弁護士になりたいか」「なぜVLSに行きたいか」「卒業後何をしたいか」「VLSの多様性にどう貢献できるか」といった基本的な質問に加え,履歴書に基づいて職歴や経験について聞きます。

こちらはインタビューをする側なので,インタビュー自体はそれほど難しくないのですが,終わった後にVLSに提出する評価の作成に苦労します。数段階の評価から選ぶ項目と,コメントを記述する項目があり,前者はすぐにできますが,後者について書くべきことを見つけるのが大変なのです。というのも,入学候補者のほぼ全員が現役の大学生で,ロースクールを目指すくらいなので成績は押しなべて良いものの,ユニークな経歴や経験(特に法律関係)がほとんど無いのです。そして,「なぜ弁護士になりたいか」と聞いても,具体的なストーリーが無く,いま勉強している分野(例えば化学)にあまり興味が持てないからなどという消極的な理由が多いのです。

一方で,インタビューする立場からすると,以下のような点は高評価につながると思います。

〇 なぜ弁護士になりたいかが,具体的・明確
〇 法律関係の仕事や法律問題(日常の小さなものでも良い)に係わったことがある
〇 VLSについてある程度下調べをしており,なぜ応募しているかが具体的・明確
〇 履歴書に書いてあることについて,全てわかりやすく説明できる
〇 インタビュアー(私)について下調べしており,それに沿った質問ができる

ストーリーが具体的であればあるほど,インタビュアーの納得度も高くなると思います。また,下調べなんてする必要があるのかというご意見もあるかもしれませんが,今の時代ネットで検索すれば(例えば私の名前+Vanderbilt)様々な情報が入手できますし,それだけ熱意を示すことができるはずです。

来週はいよいよ,指導教授が担当する「米国法入門」の授業の一クラスを担当させてもらうことになっています。準備がなかなか大変ですが,とても楽しみでもあります。

アイオワ・シカゴ観光

この一週間ほど日本から家族が遊びに来ており,アイオワとシカゴで観光しました。シカゴはともかく日本からアイオワまで来る人も少ないとは思いますが,こんなことができますよということで少しご紹介したいと思います。

① アイオワ

【Wilsons Orchardでリンゴ狩り】

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そのまま食べても,アップルパイにしても美味!

【Go Hawkeyes!】

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今日はBlack & Gold DayでBlackの席なので皆で黒ティーを。

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「テールゲート」ではハンバーガーやホットドッグが無償で配られています。

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試合は強敵Penn Stateを追い詰めるも,最後の1秒で逆転されてしまいました。

【Tanger Outletで買物】

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車で30分ほど。けっこう充実してます。

【Clear Creek Trailを散歩】

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家から5分でこんな自然が。

② シカゴ

【Boat Tour】

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Wendella社の,90分でシカゴの高層ビル群とミシガン湖を回るコースがおすすめ。

【John Hancock Centerからの夜景】

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95階のレストランからの眺望です。

【シカゴホットドッグ】

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個人的には分厚いビザよりも具沢山のホットドッグのほうがおすすめ。

【アート巡り】

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シカゴは美術館もたくさんありますが,街もアートにあふれています。

この一週間ほど記録的な猛暑が中西部を襲い,連日30度越えの暑さでした。ニュースによるとユタやアリゾナ(!)では既に雪が降ったとのこと。アメリカは広い。ちなみに今日のアイオワは最高気温が20度,夜は寒いくらいですっかり秋めきました。

SJDの日常その2

さて、第二章のドラフト提出を終えて少し余裕が出来たので、研究をしている以外の時間は何をしているのかについて書いてみたいと思います。

「一日どのくらい研究しているの?」と良く聞かれることがあります。人によってスタイルは異なると思いますが、私の場合、できるだけ普通に働くのと同じような生活をするようにしています。つまり、平日は朝から夕方までランチを挟んでだいたい7・8時間程度研究に携わり、平日の夜や休日はよっぽどのことがない限り研究はしません。効率良く長く続けるためにこのスタイルにしています。ほとんど残業がない「ホワイト企業」に勤めているイメージでしょうか。おかげさまで老化の兆しは見られるものの体調はすこぶるいいです(「たいちょう」を変換しようとすると一つ目に「対朝」が出てくるのはご時世でしょうか・・・)。

「研究以外は何をしているの?」これも良く聞かれます。いたって普通の生活だと思いますが、いろいろなことをしています。この一か月くらいはこんな感じです。

1.The Good Wifeを見る

アメリカのTVドラマシリーズで、ロースクールの図書館でなんとなく手にして見てみたのですが、あまりに面白くてはまりにはまっています。シカゴの検事総長の妻で長年主婦をしていた元弁護士が主人公で、夫の買春スキャンダル・逮捕を機会に弁護士事務所に復帰して大活躍する物語です。「24」のように,毎回次から次へと難題や(知的な意味での)強敵が襲ってきて,この後はどうなるのかとハラハラさせます。今見ているシーズン6ではとうとう自ら検事総長に立候補しました。夫も復活して州知事になりさらに大統領まで目指していますが,相変わらず下半身はどうしようもなくだらしないままなのが笑えます(セックスアンドザシティでMr.ビッグを演じた役者です)。

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(出典:cbs.com)

2.各種スポーツをテレビ観戦する

アメリカはアメフト・野球・バスケ・ゴルフ・テニスなどのメジャーなプロスポーツコンテンツが豊富ですし、近年では松山の大活躍をリアルタイムで見られます(錦織はどうなってしまうのでしょうか)。毎週土曜日はカレッジフットボールデーで、我がアイオワ・ホークアイズの試合を観戦します。また、ヨーロッパの夜はアメリカの昼なので、プレミアリーグ、ブンデスリーガ、チャンピオンズリーグなどのサッカーも楽しめます。

今週末はチケットが手に入ったのでホームゲームを見にスタジアムに行きました。今日は「All Gold Day」なので全員金色(黄色)で集合!試合も北テキサス大学に31対14で快勝!
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3.ゴルフ

アイオワ大学が所有するFinkbine Golf Course (http://www.finkbine.com/),私が住むコーラルビル市が所有するBwown Deer Golf Club (http://www.coralville.org/510/Brown-Deer-Golf-Club)と,どちらも家から10分程度のところにあります。土日はそれなりに混みますが,平日は予約無しで一人でも回れますし,歩きで9ホール20ドル,18ホール30ドル程度と格安ですので気軽に楽しめます。VanderbiltのJ.D.三年生時は就職も決まっていたので,ゴルフクラブの年間パスを買って週5でプレーしていた私ですが,今は研究生活が中心なので,気が向いたときにたまーに行く程度にしています。

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コース上をカモが優雅に散歩

4.SJD同士で会食する

昨年同級生だったウガンダ人D君は奥さんの留学に伴ってワシントンD.C.に引っ越してしまいましたが,現在のSJDレジデント(在校生)は三年目で中国人のJ君,一年目で韓国人のW君とトルコ人のM君と,少ないながらもバラエティに富んだメンバーで週一程度で集まって語らっています。

研究以外のほうが忙しいのではないかと叱られそうですが,研究は何かと孤独・単調な作業になりがちなので,色々と気分転換を図りつつ効率的に研究しているということでお許しください・・・。

SJD二年目

大変ご無沙汰してしてしましました。アイオワ大学ロースクールの博士課程に所属しているMです。

5月から8月は長い夏休みを利用して日本に帰国し,日本のロースクールでの非常勤講師,各種セミナーの講師,大学の恩師の英文論文のお手伝いなどをして過ごしていました。夏休み明けの二年目以降は日本で過ごすという選択肢もあったのですが,とりあえず最低あと半年はアイオワで過ごすことに決め,8月半ばに再渡米してきました。

私の博士論文は大きく三つの章から成っており,一年目には第一章のドラフトが無事に承認され,第二章と第三章に取り掛かっていました。夏休み前に第二章のかなりの部分を書き終えていたのですが,仕上げに時間がかかり,さきほどやっと第二章のドラフトを教授に提出することができました。とりあえず書き終えたと思っても,読み返すと全く意味が分からない部分や裏付けリサーチが必要な部分が多々あり,一週間で仕上げるつもりが一月近くかかってしまいました。理想は10月中に第三章を仕上げることなのですが,まだ道のりは遠そうです。

論文作業と並行して,今学期は指導教授の授業のお手伝いもさせていただけます。具体的には,教授が留学生向けの「米国法入門」の授業を週一回担当されており,10月と11月のそれぞれ一コマを私が教えることになっています。ふたコマとも私の博士論文に非常に関連するテーマ(法の域外適用,民事手続と行政手続)にしました。英語でプレゼンする機会はこれまでも多く経験してきたのですが,英語で授業は初めての経験なので,とても楽しみです。

とりあえず今日はここまでになりますが,SJDやアイオワ大学ロースクールに興味があるが情報が全くない,という方のためにGmailアドレスを設定しました。お問い合わせなど,sjdiniowa★gmail.com(★を@に変更)までいただければ幸いです。

SJD一年間の総括

先日、SJD Committeeにて最初の大きな章(第三章)のドラフトが承認され、めでたくSJD Candidateになりました。これはどこの学校でもそうだと思うのですが、SJDを取得するためには、入学後の一定期間(本校では一年間)に要件を充たしてSJD Candidateという「SJDを取得するための資格」を取らなければいけません。そして今後5年以内にペーパー(Dissertation)を完成させて口述試験に合格すれば、晴れてSJDを取得することが出来ます。

研究を始めたのは、去年の8月でした。期末試験の無い我々SJDは,4月末に一年目を終えます。途中に約一か月半の冬休みがあったことを考えると、研究していたのは実質7か月、本当にあっという間の一年目でした。夏休みには一旦東京に戻り、ロースクールの非常勤講師や各種研修・セミナーの講師などをして過ごしつつ、かねてから温めていた教科書第二弾の(今度は英語で)執筆にとりかかろうと思っています。

自分の備忘録を兼ねて、この一年の流れを以下のとおりまとめてみました。前にもお話しましたが、このSJD Candidateになるための要件は、四つの書類(Proposal, Outline, Literature Review, One Main Chapter)を提出して承認を受けることです。指導教授のライツ先生との会合は不定期で、1・2週に一度程度、ライツ先生を含む3人の教授で構成されるSJD Committeeとの会合は年に三回でした。

2016年8月22日  秋学期開始
2016年9月2日   第一回SJD Committee
2016年10月4日  Proposal & Outlineドラフト提出
2017年10月25日  SJD Workshopにおける第一回プレゼン
2016年11月4日  第二回SJD Committee、Proposal & Outline承認
2016年11月8日  Literature Reviewドラフト提出、第三章執筆開始
2016年12月1日  秋学期終了
2016年12月12日  Literature Review承認
2017年1月17日  春学期開始
2017年3月2日   第一章ドラフト提出、第四章執筆開始
2017年3月21日  第一章改定ドラフト提出
2017年3月23日  SJD Workshopにおける第二回プレゼン
2017年4月14日  第三章執筆開始
2017年4月21日  第三回SJD Committee、第一章ドラフト承認
2017年4月30日  春学期終了

通常Dissertationは、少なくとも三つの大きな章プラスIntroduction, Background, Conclusionなど短めの章で構成されます。人によっては、Literature Reviewを一つの章にする場合もあります。私の場合、大きな章が三つあるのですが、最もイメージが沸かない、書きにくい章から始めました。そのため、執筆開始から最終ドラフト完成まで、当初の予定よりも長い3か月近くがかかってしまいました。来学期もアイオワで過ごすことに決めたので、長くともあと一年、できれば半年でDissertationを完成したいと思っています。

研究の過程で、教授と何度も議論を重ねるとともに、他の学生が書いたものも含めて数多くの玉石混淆の論文を読んできました。その中で感じたのは、「良い論文」は「読みやすくわかりやすい論文」であるということです。「読みやすいが中身の無い論文」はあったとしても,「何が書いてあるのかわからない良い論文」というのは考えにくいです。こちらも備忘録として、「良い論文」に共通している要素をまとめてみました。

• 既存の研究には何が足りないのか(Gap)、本論文がいかにしてそのGapを埋めるのか(どこにValueがあるのか)を明示している。
• Introductionに限らず、常にロードマップ(これからどこに向かうのか)を明示している。例えば、判例を紹介するのであれば、その判例によって何を示したいのかをあらかじめ述べる。
• 抽象論に終始せず、具体的な例を示す。
• 一文一文が短い。セミコロンでつながっている文章は、まず間違いなく二つの文に分けたほうが良い。
• パラグラフも短い。そして前後のパラグラフとの繋がりが明確である。
• 定冠詞、単数複数を含め、文法上の間違いが無い。こうした間違いがあると、そちらに気をとられて内容が頭に入ってこない。
• 専門用語、外国語、省略語が少ない。避けられない場合は、用語集を別途作るか少なくとも脚注に説明を入れる。全く説明なくイスラム法の用語を羅列してある論文を読んだときには、一ページ目で読む気をなくしました。この例は極端だとしても、読者に手間をかけさせないような工夫は重要です。
• 文脈から明らかでない限り、He, She, They, Thatなどの代名詞を使わない。
• 脚注をおろそかにしない。参照論文のどこを、なぜ、どのように参照しているのかを明確(ブルーブッキングも正確)にする。
• 書く範囲を広げすぎない。どうしても触れる必要性がある場合、“beyond the scope of this paper”という決まり文句を使って、「重要ではあるが、本論文の対象範囲を超えている(ので次回以降の研究課題としてふさわしい)」ことを示す。

こうして並べてみると,なんだ当たり前のことばかりじゃないか,と思われるかもしれません。ただ,数万語に及ぶ長い論文でこれらの点を全てクリアするには,推敲に推敲を重ねなければならないので,非常に時間がかかります。とても地道な作業ですが,仕事から離れて好きなことに集中できたことの幸せを感じています。

英語プレゼンのコツ

先日,アイオワの国際関係協会の依頼でプレゼンをしてきました。聴衆は100人ほどで,大学教授,会社員,専業主婦,引退された方など様々なバックグラウンドの方々でした。そのため,私の専門の米国法ではなく,「武士道と現代日本」という一般の方にも興味を持ってもらえそうなテーマにしました。

このようなプレゼンをするメリットには,もちろん顔を売る,履歴書に幅を持たせるといったこともありますが,何よりも自分の勉強になります。今回は特に全く専門外のテーマだったため,あらためて新渡戸稲造の「武士道」を読み返したり,武士道に関する論文・記事を読んだりと,かなりの準備が必要でした。それでも,「女性の社会進出と武士道はどう関係するのか?」など難しい質問に苦労する場面もありました(「関係ないよ」とは口が裂けてもいえません。)。また,「アメリカよりも日本のピッチャーが長いイニングを投げるのは武士道からきているのか?」といった独特の視点からの質問もありました。

日本語,英語を問わず,プレゼンを苦手としている人は多いと思います。プレゼンには経験を積むことも重要ですが,ちょっとしたコツを知っておくことで,はるかに効果的になると思います。そこで今回は,私がプレゼンをするときに気を付けていることについて簡単にまとめてみました。

1. 準備編

(1)プレゼンの「定型」を守る

これは論文でもそうなのですが,必ず「序論」「本論」「結論」という三部構成を守ることが重要です。そして「本論」では,どんなに言いたいことがたくさんあったとしても,ポイントを3つ以下に絞ります(この「まとめ」でも,ポイントを3つにしています。)。

ご参考までに,今回のプレゼンの本論は,以下のように前半後半それぞれ3項目で構成されています。
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(2)導入と結論で印象付ける

いくら「本論」がよくても,始めと終わりの印象が悪いと,全てが台無しになります。導入の「アテンション・ゲッター」のテクニックとしては,いきなり質問から始める,具体的な事例から入る,偉人の名言を借用するといったものがあります。また,全体の構造をここで示すことも重要です。結論でも,導入部の質問や事例に結びつけたり,名言で終えたりすることによって印象付けられます。

(3)見やすい資料を作る

ときどき文字で埋め尽くされたパワーポイントを見ますが,絶対に聴衆はついてこられません。英語のお勧めフォントはCalibriで,できるだけ大きなフォントで,1ページに12行程度が限界だと思います。イラストや図は効果的ですが,使いすぎないこと。おすすめは「いらすとや」さんのフリー素材で,私も大変お世話になっています。
http://www.irasutoya.com/

2. 練習編

(1)暗記をしない

暗記をしてしまうと,プレゼン中に忘れたらそれで全てがおしまいです(プレゼンではないですが,私はピアノの発表会中に頭が真っ白になって完全停止したことがあります。)。

(2)資料を読まない

暗記をしないこととも関連しますが,自分が理解していないことや,用意してきた原稿をただ読むだけでは,聴衆には絶対に伝わりません。下を向いていると,聴衆の反応もわかりません。パワポを印刷したものに,大きな字で簡単なメモをするくらいがいいと思います。

(3)録画してみる

録音された自分の声を初めて聴くと衝撃ではないでしょうか。それと同じで,録画してみると自分では気づかない,たとえば姿勢が悪かったり体が揺れたりなど,様々な癖に気づくことが出来ます。

3. 実践編

(1)常に道案内をする

英語には効果的なtransition wordsがたくさんあります(たとえば,first, in addition, in summaryなど)。これらを使うことによって,聴衆は次に何が来るのかを予測することができます。また,冒頭で示した全体構造のどこにいるのかをときどき示すとよいと思います。

(2)聴衆を見ながら行う

聴衆と常にアイコンタクトしながらプレゼンすると,聴衆がどれだけ理解しているか,退屈してるかなどが良くわかります。その意味でも,資料をあらかじめ配布してしまうと聴衆が下を向いてしまうので,注意が必要です。

(3)時間を絶対に絶対に絶対にオーバーしない

「プレゼンで一番重要なことは何か?」と聞かれたら,私は「時間通りにきちんと終えること」と答えます。終了予定時間をオーバーしてしゃべることは,聴衆と主催者に大きな迷惑をかけ,せっかくのプレゼンの印象を台無しにします。「時間があれば話す用」のスライドをいくつかはさんでおくと,時間調整に効果的です。

それでは最後に,Stephen Keagueという方の名言をご紹介したいと思います。

No audience ever complained about a presentation or speech being too short. (プレゼンやスピーチが短すぎるといって不平を言う聴衆はいたことがない。)

リーガルジョーク10選

今週は,教授とマンツーマンでファーストドラフトについての協議を行い,教授のコメントを反映したドラフトを提出することができました。また,別途作成していたコンテスト応募用の論文(ファーストドラフトの内容に,これからとりかかる二章分の概要を反映させたもの)も無事完成しました。来週のSJDワークショップでのプレゼンが終われば,一週間の春休みです。JD時代は勉強一色でしたが,SJDでは少し余裕があるので,ちょっと遠出でもしてみようかと思っています。

さて,前回映画のベスト10をご紹介したので,今回はリーガルジョーク・ベスト10です。アメリカにおける弁護士はアンビュランス・チェイサー(救急車を追いかけて名刺を配る,最底辺の弁護士の意)やシャーク(がめついことから)などと揶揄されることも多く,弁護士に関するジョークがたくさんあります。
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その中から,私のお気に入りのリーガルジョークを,Q&A方式でご紹介しようと思います。なお,こちらのサイトを参考にしました。下品過ぎてこちらには載せられないジョークも数多くあります。
Lawyer Joke Collection, http://www.iciclesoftware.com/LawJokes/IcicleLawJokes.html

Q: 電球を取り換えるのに弁護士は何人必要か。
A: 三人。一人は脚立に上る。もう一人は脚立を揺らす。そして最後の一人は脚立メーカーを訴える。
(まさにマッチポンプ(これは和製英語)ですね。)

Q: 弁護士と,ボクシングのレフリーの違いは何か?
A: ボクシングのレフリーは,戦いが長引いても給料が増えない。
(弁護士は時間あたりで報酬請求するので,交渉が長くなればなるほど多く請求してくることを皮肉っています。)

Q: 弁護士が集まるパーティーで,笑顔を振りまき礼儀正しい,しらふの人物とは誰の事?
A: ウェイター。

Q: 弁護士(lawyer)と嘘つき(liar)の違いは何か?
A: 発音。
(弁護士が嘘をついているのはどんなときか?唇が動いているとき。というジョークもあります。)

Q: 蚊と弁護士の違いは何か?
A: 一方は人の血を吸う寄生虫で,もう一方は昆虫である。

Q: なぜニュージャージー州はすべての廃棄物処理場を受け入れ,カリフォルニア州はすべての弁護士を受け入れたのか?
A: ニュージャージー州が先に選ぶ権利を持っていたから。
(カリフォルニア州はニューヨーク州と並んで弁護士が最も多い州です。)

Q: なぜサメは弁護士を襲わないのか?
A: 職業的敬意(professional courtesy)を払っているから。
(個人的には簡潔で最も好きなジョークなのですが,professional courtesyがちょっとわかりにくいかもしれません。まあ同類とみなしているということですね。)

Q: 溺れかけている弁護士を救うにはどうすればよいか?
A: 弁護士の頭を踏みつけているあなたの足をどける。

Q: 自転車に乗っている弁護士を車で轢かないほうがよいのはなぜか?
A: それはあなたの自転車かもしれないから。

Q: サンタクロース,妖精,正直な弁護士,前後不覚の酔っ払いが道を歩いていて,1万円札を見つけた。拾ったのはだれか?
A: 酔っ払い。それ以外は想像上の産物であり実在しない。

それでは最後にもう一つだけ。
Q: 弁護士に関するジョークは世の中にいくつあるか?
A: たったの三つ。あとはすべてジョークではなく事実である。
お後がよろしいようで。

リーガルムービー ベスト10

1月はマイナス20度にも達する寒さのアイオワシティーでしたが,2月に入って,(プラス)20度近くまで気温が上がるという,アイオワとしては「記録的な」暖かい日が続いています。

SJD生活のほうはといいますと,やっと1章分のファーストドラフトを教授に提出することができました。また,ファカルティ・ワークショップという,教授たちが論文ドラフトについてお互いにコメントしあうというイベントにも参加させてもらい,自分も何かしらコメントしなければいけないため準備が大変でしたが,教授陣の思考回路や文章の書き方に身近に接することができて大変有意義でした。

今後は,(ファーストドラフトを手直しして)論文コンテストへの応募,アイオワ国際協会でのスピーチ(「武士道と現代日本について」!),SJDワークショップでの論文内容プレゼンなどを予定しています。また,他章のドラフトも書き始める必要がありますが,ファーストドラフト提出でSJD1年目に最低限必要な作業がほぼ終わり,とりあえず一息ついたところです。

さて,本日のテーマは,「リーガルムービー ベスト10」です。留学を予定又は希望されている方から,「留学前にどんな準備をしたほうがいいですか」と聞かれることがよくあります。もちろん,留学前から授業の予習やNY Barの準備をすることも決して無駄ではないでしょうが,私は,英語のリーガルムービーを見ることをお勧めしています。英語字幕にすれば英語の勉強になりますし,アメリカの雰囲気や歴史背景なども学べます。そこで,以下は私のお勧め映画です。

10位 ペーパー・チェース(The Paper Chase)

40年以上前の,ハーバード・ロースクールを舞台にした青春映画。教授が生徒を次々に当てていく恐怖の「ソクラテス・メソッド」を,リアリティをもって描いています。今ではこんな怖い先生はあまりいませんが,映画で慣れておくと実際の授業でも大丈夫かも?

9位 ダブル・ジョパーディー(Double Jeopardy)

BossのCMでおなじみ,トミー・リー・ジョーンズ主演のサスペンス・アクション映画。二重処罰の禁止を意味するタイトルがストーリーのキモになっています。あまり法律や弁護士が出てくる場面はないのですが,映画のエンターテイメント的面白さと,実は二重処罰禁止が私の論文テーマの一つにもなっているので,選びました。

8位 アラバマ物語(To Kill a Mockingbird)

1930年代の人種偏見が色濃く残る南部アラバマ州が舞台の,白人女性暴行の罪で逮捕された黒人男性の弁護を引き受けた白人の主人公の物語。とてもシリアスな映画です。憲法の授業でも人種差別の問題が多く出てきます。たとえば1954年の最高裁Brown判決が出るまで,公立学校で白人と黒人を分けて教育することがありました。

7位 真実の行方(Primal Fear)

リチャード・ギア演じる刑事弁護士が,司教殺人事件の容疑者となった,若き日のエドワード・ノートン演じる少年の弁護を引き受ける法廷サスペンス。なんでこんな意味不明の邦題なのだろうと感じる作品は多いですが,この映画には「真実の行方」がピッタリ。

6位 ザ・ファーム法律事務所(The Firm)

若かりし頃のトム・クルーズ主演のサスペンス・アクション映画。ハーバードを優秀な成績で卒業し,一軒家・車付きの破格の好待遇でメンフィスの事務所に就職した主人公だが,やがて事務所を舞台とした巨大な陰謀に巻き込まれていく。法律の勉強にはあまりなりませんが,息を持つかせぬ展開が面白いです。

5位 キューティー・ブロンド(Legally Blonde)

カリフォルニアのファッション専攻の女子大生が,フラれたことをきっかけに一念発起してハーバード・ロースクールに入学するサクセスストーリー。原題のLegally Blondeは,「金髪は法的に認められるくらいのおバカさん」という意味から来ていると思われます。ロースクール生活の描写もディフォルメされつつそれなりにリアリティがあって,単純に楽しめる映画です。なぜLegally Blonde 2と3を作ってしまったのかは不明。

4位 シビル・アクション(Civil Action)

人身傷害(Personal Injury)事件で荒稼ぎしていたジョン・トラボルタ演じる主人公が,巨大な環境訴訟に巻き込まれたことで人生を大きく変えていく,実話に基づくストーリー。民事訴訟法の勉強にもなります。個人的に好きなのは,コーネル出身の主人公がハーバード出身の相手方弁護士から,「君は何年卒だっけ?えっ,コーネルなの?ああいい学校だよね」と言われる場面(誤解を避けるために言うと,ハーバード卒業生からみたらともかく,コーネルは本当にトップクラスの学校です。私だったら,「ああアイオワなの?トウモロコシがうまいよね」とか言われそうです(笑))。

3位 推定無罪(Presumed Innocent)

名検事としてならしていたハリソン・フォード演じる主人公が,愛人殺しの疑惑で逮捕され,自らの無実を証明していく法廷サスペンス映画。ちなみに推定無罪は,「有罪と証明されるまでは無罪と推定される」という刑法の大原則。そういえば,ハリソン・フォードは逃亡者(これも素晴らしい映画。10回見ました。)でも妻殺しの罪を着せられていましたね。

2位 エリン・ブロコビッチ(Elin Brochovich)

ジュリア・ロバーツ主演の冴えないシングルマザーが,巨大企業に立ち向かっていくスカッと系ドラマ。実話に基づいており,法的にもしっかりとした構成になっていますが,何も考えずに見ていても楽しめる,ある意味最強のリーガルムービーかも。

1位 12人の怒れる男たち(Twelve Angry Men)

12人の男たちとは,陪審員のこと。陪審員室でのやりとりに終始する,ほとんど動きの無い低予算(らしい)映画ですが,ストーリーがよく練られており一見の価値あり(私は10回見ています。)。この作品をオマージュした,三谷幸喜の「12人の優しい日本人」も傑作です。

完全に私見と偏見に基づいたリストですので,もう少し幅広いチョイスをご希望の方は,全米法律家協会が選ぶベスト25をご参照ください。
http://www.abajournal.com/gallery/top25movies/99

ロースクールの選び方

1月以上と長かった冬休みも終わり、先週から春学期が始まっています。先日は、指導教授と久しぶりにお会いして、今後の進め方などを相談しました。冬休みの間はあまり研究が進みませんでしたので、自分にプレッシャーをかける意味でも、一つの章のファーストドラフトを3週間以内に提出することを約束しました。なお、論文は大きく三つの章から成っており、S.J.D.の1年目には,少なくとも一つの章のドラフトを完成させなければいけません。

私の話はさておき、このブログを読んでくださっている奇特な方の中には、今年の夏又は近年中の留学を目指している方もいらっしゃるかもしれません。本日は、「どのロースクールに行くべきか」を考えるにあたってのヒントについて書いてみたいと思います。なお、私のようにJ.D.を取得してアメリカ弁護士として働くのではなく、LL.M.を取得する弁護士や法務部員の方を念頭に置いています。

1. ランキング

たぶんほとんどの留学生は、U.S. Newのロースクールランキングをもとに、どのロースクールに行くかを決めるのではないでしょうか?

http://grad-schools.usnews.rankingsandreviews.com/best-graduate-schools/top-law-schools/law-rankings

もちろんランキングが良いことには、就職率が良い、周りの学生が優秀(少なくとも大学の成績が良い)、有名な教授がいるなど、それなりの理由がありますので、ランキングを無視するべきではありません。また、例外はありますが、上位校は日本でも大抵名前が知られていますので、「〇〇(例えばアイビーリーグ)に留学します」というと「へー(すごい)」という反応が心地良いこともあるでしょう。

わたしもかつてJ.D.を受験したときには、ほとんどランキングしか気にしておらず、最初はトップ10校の全てに不合格になり、慌てて他の学校に応募してVanderbiltに拾ってもらった経緯があります(詳しくは下記ブログ記事をご参照ください。)。

http://vanderbilt-law-japan.blog.so-net.ne.jp/2007-02-10

「Vanderbiltに留学します」というと、だいたい「へー(それどこ?)」という反応が返ってきて残念な気持ちになったことを思い出しますので、ランキングや(日本での)知名度を重視する気持ちは良くわかります。ただ、実際に留学して、そして今は2校目の留学をしていて感じるのは、以下の2と3を重視したほうが良いのではないかということです。

なお、J.D.を取得してアメリカで働く場合には、ランキングが高ければ高いほど就職に有利かつ卒業後の選択肢も広がりますので、ランキングを最優先するべきです。わたしがJ.D.を取得したVanderbiltは、ランキング16位と決して低くはありませんが、もしより上位の学校に行けていたらクラークシップなどの道も拓けていたのではないかと、いまだに思うことがあります。

2. 都市

ニューヨーク、ボストン、ロサンゼルスなどの大都市にある学校を希望される方が多いようですが、個人的には田舎の学校をおススメします。大都市には出張や旅行などで行くチャンスが多いと思いますが、田舎のいわゆる「古き良きアメリカ」での生活は留学でもしないと出来ません。生活費(特に住居費)も2倍から4倍近く変わる可能性があります。たぶん毎日学校に通うことになると思いますので、通学時間もばかになりませんが、田舎であればキャンパスの中や10分程度の場所にリーズナブルに住めるでしょう。さらに、大都市だと、「キャンパス」とは名ばかりのビル群で、なんとも味気ないものです。

大都市でないと楽しみが少ない、と思われる方も多いでしょう。しかし、よほど語学に堪能でないかぎり、学期中は相当忙しくて遊ぶ時間はほとんど無いと思います。その分長期の休みに旅行をすればよいのではないでしょうか。また、日常のちょっとした楽しみであれば、価値観にもよりますが、その地方や大学ならではの楽しみを見つけられると思います(我がIowaについては、以下の記事をご参照。)。私は、働いていたニューヨークよりも、いまいるアイオワシティー、そしてそれよりもVanderbiltのあるナッシュビルのほうが好きです。

http://uiowasjd.blog.so-net.ne.jp/2016-09-19

もう一点、見落としがちですが、実は気候も大きな要素です。LL.M.は実質9月~5月ですので、夏の暑さはそれほど気にする必要がありませんが、多くのロースクールがとても寒いところにあることに注意が必要です。寒いと何かいけないのかというと、室内は暖かいので問題ありませんが、外に出たくない、学校に行きたくないという気分になってしまうのです。寒いところにある学校は自殺率が高いと聞いたこともあります。そういう意味では、西海岸や南部にある学校がおススメです(正直、アイオワシティーも真冬はマイナス20~30度にもなる極寒地帯にありますので、この点だけはネックです。)。

3. サポートスタッフ

留学すると、とにかく困ることが多いと思います。留学の立上げ、日常生活、学校生活などのあらゆる点で、細々とした問題が多々発生します。交通事故や犯罪に巻き込まれた留学生の話を聞いたこともあります。そうしたときに、親身になって相談できるような専任のスタッフがいるととても助かります。LL.M.担当の教授しかいない場合、もちろん人によるとは思いますが、一般的に教授は授業や研究で忙しいので、あまりサポートは期待できないかもしれません。

一つの方法として、合格通知をくれた人に疑問をぶつけてみることや、最近の日本人卒業生を紹介してもらうことが考えられます。そこでの対応姿勢や内容で、留学してからどれだけサポートを受けられるかがなんとなくわかると思います。この点、Vanderbiltには、もはや伝説レベルのスーパーウーマンのCynthiaがいます(下記ご参照。)。ちなみに、Iowaでは春学期から新しい担当者に代わったばかりなのですが、もともとガーナからの留学生でJ.D.を取得しているので、留学生の事情を良くわかってくれそうです。

http://vanderbilt-law-japan.blog.so-net.ne.jp/2006-09-24

4. 学びたい科目、教授

よく、「自分の専門は〇〇法で、この学校にはその分野に強いから(又は、有名な〇〇先生がいるから)」という理由も聞きます。これは決して間違いではありませんし、エッセイなどの出願書類には書くべきですが、学校選択にあたっては,実際のところそれほど重要ではないと思います。その分野の研究者になるのであれば、「〇〇ロースクールで〇〇先生の指導を受けた」ことに意義があるのかもしれませんが,国際法、会社法、知的財産法など,よっぽど特殊な分野でなければ、どのロースクールでもそれなりに学べるはずです。一方,その分野の第一人者であっても、教え方がうまいとは限りません。

一年間で取れる授業の数は限られています。単位数にもよりますが、せいぜい6~8科目程度ではないでしょうか。もしある分野について学びたいのであれば,ロースクールの授業を受けるよりも,自分で専門書を読んだほうが効率的です。多くの方にとって,ロースクールで授業を取る意義は,ライブの環境で英語を学ぶということにあるのではないでしょうか。ものすごくつまらない授業もけっこうありますし、そんな授業のために数か月間を費やすのはもったいないです。毎年教え方のうまい先生を学生が選んで表彰する制度がありますのでそれを参考にして,あまり分野にはこだわらず面白そうな授業を履修されると良いのではないかと思います。

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