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リーガルムービー ベスト10

1月はマイナス20度にも達する寒さのアイオワシティーでしたが,2月に入って,(プラス)20度近くまで気温が上がるという,アイオワとしては「記録的な」暖かい日が続いています。

SJD生活のほうはといいますと,やっと1章分のファーストドラフトを教授に提出することができました。また,ファカルティ・ワークショップという,教授たちが論文ドラフトについてお互いにコメントしあうというイベントにも参加させてもらい,自分も何かしらコメントしなければいけないため準備が大変でしたが,教授陣の思考回路や文章の書き方に身近に接することができて大変有意義でした。

今後は,(ファーストドラフトを手直しして)論文コンテストへの応募,アイオワ国際協会でのスピーチ(「武士道と現代日本について」!),SJDワークショップでの論文内容プレゼンなどを予定しています。また,他章のドラフトも書き始める必要がありますが,ファーストドラフト提出でSJD1年目に最低限必要な作業がほぼ終わり,とりあえず一息ついたところです。

さて,本日のテーマは,「リーガルムービー ベスト10」です。留学を予定又は希望されている方から,「留学前にどんな準備をしたほうがいいですか」と聞かれることがよくあります。もちろん,留学前から授業の予習やNY Barの準備をすることも決して無駄ではないでしょうが,私は,英語のリーガルムービーを見ることをお勧めしています。英語字幕にすれば英語の勉強になりますし,アメリカの雰囲気や歴史背景なども学べます。そこで,以下は私のお勧め映画です。

10位 ペーパー・チェース(The Paper Chase)

40年以上前の,ハーバード・ロースクールを舞台にした青春映画。教授が生徒を次々に当てていく恐怖の「ソクラテス・メソッド」を,リアリティをもって描いています。今ではこんな怖い先生はあまりいませんが,映画で慣れておくと実際の授業でも大丈夫かも?

9位 ダブル・ジョパーディー(Double Jeopardy)

BossのCMでおなじみ,トミー・リー・ジョーンズ主演のサスペンス・アクション映画。二重処罰の禁止を意味するタイトルがストーリーのキモになっています。あまり法律や弁護士が出てくる場面はないのですが,映画のエンターテイメント的面白さと,実は二重処罰禁止が私の論文テーマの一つにもなっているので,選びました。

8位 アラバマ物語(To Kill a Mockingbird)

1930年代の人種偏見が色濃く残る南部アラバマ州が舞台の,白人女性暴行の罪で逮捕された黒人男性の弁護を引き受けた白人の主人公の物語。とてもシリアスな映画です。憲法の授業でも人種差別の問題が多く出てきます。たとえば1954年の最高裁Brown判決が出るまで,公立学校で白人と黒人を分けて教育することがありました。

7位 真実の行方(Primal Fear)

リチャード・ギア演じる刑事弁護士が,司教殺人事件の容疑者となった,若き日のエドワード・ノートン演じる少年の弁護を引き受ける法廷サスペンス。なんでこんな意味不明の邦題なのだろうと感じる作品は多いですが,この映画には「真実の行方」がピッタリ。

6位 ザ・ファーム法律事務所(The Firm)

若かりし頃のトム・クルーズ主演のサスペンス・アクション映画。ハーバードを優秀な成績で卒業し,一軒家・車付きの破格の好待遇でメンフィスの事務所に就職した主人公だが,やがて事務所を舞台とした巨大な陰謀に巻き込まれていく。法律の勉強にはあまりなりませんが,息を持つかせぬ展開が面白いです。

5位 キューティー・ブロンド(Legally Blonde)

カリフォルニアのファッション専攻の女子大生が,フラれたことをきっかけに一念発起してハーバード・ロースクールに入学するサクセスストーリー。原題のLegally Blondeは,「金髪は法的に認められるくらいのおバカさん」という意味から来ていると思われます。ロースクール生活の描写もディフォルメされつつそれなりにリアリティがあって,単純に楽しめる映画です。なぜLegally Blonde 2と3を作ってしまったのかは不明。

4位 シビル・アクション(Civil Action)

人身傷害(Personal Injury)事件で荒稼ぎしていたジョン・トラボルタ演じる主人公が,巨大な環境訴訟に巻き込まれたことで人生を大きく変えていく,実話に基づくストーリー。民事訴訟法の勉強にもなります。個人的に好きなのは,コーネル出身の主人公がハーバード出身の相手方弁護士から,「君は何年卒だっけ?えっ,コーネルなの?ああいい学校だよね」と言われる場面(誤解を避けるために言うと,ハーバード卒業生からみたらともかく,コーネルは本当にトップクラスの学校です。私だったら,「ああアイオワなの?トウモロコシがうまいよね」とか言われそうです(笑))。

3位 推定無罪(Presumed Innocent)

名検事としてならしていたハリソン・フォード演じる主人公が,愛人殺しの疑惑で逮捕され,自らの無実を証明していく法廷サスペンス映画。ちなみに推定無罪は,「有罪と証明されるまでは無罪と推定される」という刑法の大原則。そういえば,ハリソン・フォードは逃亡者(これも素晴らしい映画。10回見ました。)でも妻殺しの罪を着せられていましたね。

2位 エリン・ブロコビッチ(Elin Brochovich)

ジュリア・ロバーツ主演の冴えないシングルマザーが,巨大企業に立ち向かっていくスカッと系ドラマ。実話に基づいており,法的にもしっかりとした構成になっていますが,何も考えずに見ていても楽しめる,ある意味最強のリーガルムービーかも。

1位 12人の怒れる男たち(Twelve Angry Men)

12人の男たちとは,陪審員のこと。陪審員室でのやりとりに終始する,ほとんど動きの無い低予算(らしい)映画ですが,ストーリーがよく練られており一見の価値あり(私は10回見ています。)。この作品をオマージュした,三谷幸喜の「12人の優しい日本人」も傑作です。

完全に私見と偏見に基づいたリストですので,もう少し幅広いチョイスをご希望の方は,全米法律家協会が選ぶベスト25をご参照ください。
http://www.abajournal.com/gallery/top25movies/99