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英語プレゼンのコツ

先日,アイオワの国際関係協会の依頼でプレゼンをしてきました。聴衆は100人ほどで,大学教授,会社員,専業主婦,引退された方など様々なバックグラウンドの方々でした。そのため,私の専門の米国法ではなく,「武士道と現代日本」という一般の方にも興味を持ってもらえそうなテーマにしました。

このようなプレゼンをするメリットには,もちろん顔を売る,履歴書に幅を持たせるといったこともありますが,何よりも自分の勉強になります。今回は特に全く専門外のテーマだったため,あらためて新渡戸稲造の「武士道」を読み返したり,武士道に関する論文・記事を読んだりと,かなりの準備が必要でした。それでも,「女性の社会進出と武士道はどう関係するのか?」など難しい質問に苦労する場面もありました(「関係ないよ」とは口が裂けてもいえません。)。また,「アメリカよりも日本のピッチャーが長いイニングを投げるのは武士道からきているのか?」といった独特の視点からの質問もありました。

日本語,英語を問わず,プレゼンを苦手としている人は多いと思います。プレゼンには経験を積むことも重要ですが,ちょっとしたコツを知っておくことで,はるかに効果的になると思います。そこで今回は,私がプレゼンをするときに気を付けていることについて簡単にまとめてみました。

1. 準備編

(1)プレゼンの「定型」を守る

これは論文でもそうなのですが,必ず「序論」「本論」「結論」という三部構成を守ることが重要です。そして「本論」では,どんなに言いたいことがたくさんあったとしても,ポイントを3つ以下に絞ります(この「まとめ」でも,ポイントを3つにしています。)。

ご参考までに,今回のプレゼンの本論は,以下のように前半後半それぞれ3項目で構成されています。
presen.png

(2)導入と結論で印象付ける

いくら「本論」がよくても,始めと終わりの印象が悪いと,全てが台無しになります。導入の「アテンション・ゲッター」のテクニックとしては,いきなり質問から始める,具体的な事例から入る,偉人の名言を借用するといったものがあります。また,全体の構造をここで示すことも重要です。結論でも,導入部の質問や事例に結びつけたり,名言で終えたりすることによって印象付けられます。

(3)見やすい資料を作る

ときどき文字で埋め尽くされたパワーポイントを見ますが,絶対に聴衆はついてこられません。英語のお勧めフォントはCalibriで,できるだけ大きなフォントで,1ページに12行程度が限界だと思います。イラストや図は効果的ですが,使いすぎないこと。おすすめは「いらすとや」さんのフリー素材で,私も大変お世話になっています。
http://www.irasutoya.com/

2. 練習編

(1)暗記をしない

暗記をしてしまうと,プレゼン中に忘れたらそれで全てがおしまいです(プレゼンではないですが,私はピアノの発表会中に頭が真っ白になって完全停止したことがあります。)。

(2)資料を読まない

暗記をしないこととも関連しますが,自分が理解していないことや,用意してきた原稿をただ読むだけでは,聴衆には絶対に伝わりません。下を向いていると,聴衆の反応もわかりません。パワポを印刷したものに,大きな字で簡単なメモをするくらいがいいと思います。

(3)録画してみる

録音された自分の声を初めて聴くと衝撃ではないでしょうか。それと同じで,録画してみると自分では気づかない,たとえば姿勢が悪かったり体が揺れたりなど,様々な癖に気づくことが出来ます。

3. 実践編

(1)常に道案内をする

英語には効果的なtransition wordsがたくさんあります(たとえば,first, in addition, in summaryなど)。これらを使うことによって,聴衆は次に何が来るのかを予測することができます。また,冒頭で示した全体構造のどこにいるのかをときどき示すとよいと思います。

(2)聴衆を見ながら行う

聴衆と常にアイコンタクトしながらプレゼンすると,聴衆がどれだけ理解しているか,退屈してるかなどが良くわかります。その意味でも,資料をあらかじめ配布してしまうと聴衆が下を向いてしまうので,注意が必要です。

(3)時間を絶対に絶対に絶対にオーバーしない

「プレゼンで一番重要なことは何か?」と聞かれたら,私は「時間通りにきちんと終えること」と答えます。終了予定時間をオーバーしてしゃべることは,聴衆と主催者に大きな迷惑をかけ,せっかくのプレゼンの印象を台無しにします。「時間があれば話す用」のスライドをいくつかはさんでおくと,時間調整に効果的です。

それでは最後に,Stephen Keagueという方の名言をご紹介したいと思います。

No audience ever complained about a presentation or speech being too short. (プレゼンやスピーチが短すぎるといって不平を言う聴衆はいたことがない。)