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SJDの日常

アイオワの秋は,気持ち良い晴れの日が続き,とても過ごしやすいです。ただ,朝晩は冷え込み,朝学校に行くときに車のフロントガラスが凍っており,厳しい冬がもうすぐそこまで来ているのを感じます。

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(近所の紅葉

私がアイオワに来てから,早いもので三カ月弱が経ちました。だいぶ先延ばしになっていましたが,本日は,「SJDは具体的にどんな生活をしているのか」をご紹介したいと思います。

以前に,http://uiowasjd.blog.so-net.ne.jp/2016-09-24で詳しくご説明したとおり,SJDは法学博士課程で,Dissertationという博士論文を完成させて口頭試問に合格することが必要です。私の博士論文のテーマは,ビジネス法のある一分野に関する法執行の国際比較と提言です。指導教授のR教授は,比較法と行政法の専門家で,アイオワロースクールの国際プログラムのディレクターもされています。R教授と,刑法専門のO教授,会社法専門のY教授の三人が,,私の論文を審査するDissertation Committeeのメンバーです。

アイオワのSJDは一年間をアイオワで過ごすこと(これをレジデントといいます。)が必要ですが,その後はどこで論文を完成させてもかまいません。現在SJDのレジデントとして在籍しているのは,2年目の中国人と韓国人が一人ずつ,今年の1月に入学したサウジアラビア人が二人,そして今年の8月に入学したウガンダ人と私の計6人です。

週一回,レジデントと,R教授と,ウガンダ人留学生の指導教授G教授が集まって,研究方法に関するディスカッションや,互いの研究発表を行うSJDチュートリアルという1時間のクラスがあります。また,指導教授とは,不定期に(週一回程度)ミーティングをして,研究の進捗状況について報告したり,さまざまな指導を受けたりします。それ以外に授業を取る義務は無いのですが,私は将来アメリカ法全般も教えたいので,R教授の「アメリカ法入門」を聴講しています。

この一年間に必要とされている書類・作業は,以下の四つです。一つ目は,Dissertation Proposal(研究計画)で,論文のテーマ,構成,研究方法,理論的枠組み,オリジナリティなどについて,3,000字ほどでまとめたものです。SJD応募の際に提出したドラフトがありますが,それを教授と話し合いながら練りに練っていきます。二つ目は,Outlineで,論文の各章の内容を簡潔にまとめたものです。三つめは,Literature Reviewといって,論文のテーマに関連する既存の本や論文を分析して,自分の論文がいかにオリジナリティを持つのかを示すものです。そして四つ目は,実際の論文の一つの章を完成させることです。

私の場合,SJD応募の段階でかなり研究計画を詰めたつもりでしたが,教授とディスカッションを進めていくと,いかに穴があるか,論理的整合性が取れていないかといったことが明確になりました。10月の初めに研究計画とアウトラインを提出し,Dissertation Committeeの承認待ちです。現在は,Literature Reviewを中心に作業を進めており,今学期中にも実際の論文に取り掛かれればよいなと思っています。

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(ロースクールの図書館。全米二位の規模だそうです。)

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(JDとLLMの学生一人一人に与えられる勉強ブース。「キャレル」といいます。)

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(SJDは,扉・鍵付きの少し広めのキャレルが貰えます。大量の論文や本もすべて置いておけるので,パソコンやプリンターを据え付け,基本的にここで過ごしています。)

私がJDで留学したときには(LLMのみなさんもそうだと思いますが),基本的に毎日授業があり,大量の宿題が出ますので,予習復習をこなすだけで毎日が終わっていました。SJDの場合,週一回程度の会合はありますが,基本的に何も縛られるものがないので,自分で自分をコントロールすることが必要です。私の場合,何もなくとも基本的に平日は毎日朝から夕方まで学校に行き,週末は出来るだけ体を動かしたりリラックスしたりしています。

最初のうちは遅くまで学校に残ったり,休日も学校に行ったりしていましたが,長く続けるには,普通に働いているのと同じような日常を過ごすべきだと考えるようになりました。もちろん普通の仕事とは違い,わけのわからない上司や,(少なくとも人から強制される)残業などもないので,ストレスは全くありません。ローファーム時代に常に悩まされていた口内炎からも解放されています。スケジュールも自由に組めますので,研究さえきちんと進んでいれば,旅行も可能です。実は私も,先日母校のVanderbilt University Law Schoolがあるナッシュビルと,当時の親友が住んでいるノックスビルに行ってきました。このことについてはまた日を改めて書きたいと思います。

アイオワ州,大学,ロースクール

本日は,日本ではほとんど知られていないであろう,アイオワ州,アイオワ大学,ロースクールをご紹介したいと思います。

アイオワ州は,アメリカの中西部,アメリカの地図でいうとほぼ真ん中の少し上あたり,シカゴがあるイリノイ州の西側に位置しています。緯度は北海道とほぼ同じで,夏は爽やか,冬は(まだ体験していませんが)極寒だそうです。自然にあふれたのどかな州で,農業,とくにトウモロコシの生産が盛んです。日本の人には,「あああのジャガイモで有名な」といわれますが,それは違います。アイダホです!あと,なぜか日本人にもアメリカ人にも「オハイオに留学してるんですね」といわれたことがあります。どちらも英語日本語ともに四文字,中西部にあることから間違えられやすいのかもしれません。

アイオワ大学(University of Iowa)は,1847年に設立された州立大学で(アイオワ州立大学,Iowa State University大学とは異なります。),アイオワ・シティというカレッジ・タウンにあります。広大な敷地内を流れるアイオワ川の東側には多くの学部があるダウンタウンがあり,西側には医学部・大学病院・ロースクールや,フットボール・スタジアム,ゴルフ場などがあります。

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(大学のシンボル,Herky the Hawk)

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(大学の中心,Old Capitol Building)

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(ダウンタウン)

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(7万人収容のフットボール・スタジアム)

わたしが通うロースクール(University of Iowa College of Law)は1865年に設立(ミシシッピー川の西側では最も古いロースクールだそうです。)された伝統校です。日本人の卒業生はほとんどいませんので日本での知名度は低いですが,全米ランキングでは毎年20位以内と安定した評価を受けています。JDの一学年は140人前後,LLMは10人以下ととても小規模(私の所属するSJDは,私とウガンダからの留学生D君の2人だけ)です。一方で,図書館は全米2位の蔵書数を誇り,そのためもあって海外の大学の教授など,多くのVisiting Scholarが在籍しています。

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(ロースクール外観)

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(ロースクールから車で5分ほどのところにある大学所有のゴルフ場。今日は天気が良いので研究をさぼってゴルフ,などということは決してしていません。)

私は以前の留学も含めてアメリカに4年ほどいましたが,アイオワ州やアイオワ大学のことは殆ど知りませんでした。どんなところかやや不安でしたが,こちらに来て2か月半ほどたって感じるのは,安全,街の人が親切,物価が安い,自然が多い,渋滞が無い,気候が良いなど,とても暮らしやすいところだということです。難点は,観光地が全くないことと,プロスポーツのチームが無いこと(その分,大学のアメフトはすごい盛り上がりです。),冬がたぶんとても寒いことくらいでしょうか。

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